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福岡・博多の「焼き鳥について

1.福岡県は鳥料理店の数が全国1位

 
みなさんは博多の焼き鳥を食べたことがあるでしょうか。
博多ならではの食べ物といえば何を連想されるでしょう。
ラーメンかめんたいこと言う方がほとんどにちがいありません。
しかし実際に博多におとずれると、鳥料理の店が多いことに気づかれるはずです。
 
福岡県の鳥料理店の数は 全国1位となっています。
鳥料理の中でも代表的なものが焼き鳥です。
他県の方が焼き鳥屋に入るとその独特の雰囲気にカルチャーショックを受けます。
そこでまだご存じない方やくわしくない方のために、博多の焼き鳥文化についてご紹介しましょう。

2.他県と博多の焼き鳥屋のちがい

 
他県と博多の焼き鳥屋のちがいを語るときのポイントを3つあげます。
そのポイントとは、焼き鳥屋の名前、他県では見られないメニュー、独特の食材、の3つです。
 
まず 焼き鳥屋の名前についてお話しします。
飲食店の名前はユニークなものが多いですが、博多の焼き鳥屋は看板に戦国大名の名前をつけているのをよく目にするはずです。
戦国武将のように天下を取ってやるという心意気で店を始めたにちがいありません。
博多に住む人の情熱的な気質や、その土地における重要な焼き鳥の位置づけがイメージできるのではないでしょうか。
 
つぎに他県では見られない メニューについてお話しします。
なんといってもメニューにおけるキーワードはバラにちがいありません。博多の人たちはバラ肉が大好きなのです。
バラ肉とは豚のあばら骨のまわりについている肉で、鶏肉じゃないではないかと驚かれることでしょう。
ちなみに博多では焼き鳥というよりもやきとりという解釈をしており、これは鶏肉を焼いたものからやきとりという名の調理法への進化系といってもよいのではないでしょうか。
そんなわけで、メニューにはサガリやシシャモ、さらには串カツまで見られます。
焼き鳥屋のメニューにさえ、なんでも取り込んでいくおおらかな博多文化の特色が垣間見られるのです。
 
3つ目に 独特の食材を2種類紹介します。
ひとつはキャベツで、もうひとつは豚足です。
多くの博多の焼き鳥屋では何を注文したとしても、とりあえず生キャベツの入った大皿が出されます。
しかもすでにタレがかけてあるはずです。
気の弱い人はまちがったものが出されたのかとおどろいてしまうにちがいありません。別にまちがいではなく、この大皿に注文したものが次々とのせられていくのです。
キャベツはたいていの店でおかわり自由で、タレのほかに塩の選択もできます。
どちらかといえば博多では塩が好まれるのも、関東圏の濃い目のタレを好む文化との大きなちがいのひとつです。
そして周囲を見渡すとかならず一人や二人は注文しているはずなのが豚足です。
博多名物のひとつに豚足があり、焼き豚足は博多ならではの味といえるでしょう。
豚足といえば一般的には煮込んだり塩湯でしたりして食べますが、焼くというのは全国的にみてめずらしい調理法といえます。
こういったところにも新しいものを積極的に取り入れる博多文化がうかがえるのです。

3.博多の焼き鳥の歴史

 
博多独特の焼き鳥文化が花開いた理由について説明するために、鶏肉を盛んに食べるようになった歴史についてひもときます。
時は江戸時代にさかのぼりますが、現在の博多は当時福岡藩が統治していました。
藩主が黒田氏だったので、黒田藩ともいわれています。
その黒田藩が藩の経済力を高めるために海外から鶏を輸入しました。
目的は卵を全国的に出荷することでしたが、そこから鶏肉を食べる習慣がはじまり、現在のとりにく文化へと発展したのです。
江戸時代には肉食が禁じられていたわけですが、『江戸料理集』には焼き鳥の調理法が記されており、スズメなどは串焼きにして食されていました。
ちょうどその頃に博多には大きな鶏が輸入されてきたわけです。
 
われわれの先祖は、最初丸焼きにしていたはずですが、しだいに細切れにして串に刺して焼くと時間がかからず簡単に火が通ることを発見していったにちがいありません。
ここで注目すべきは串焼きという調理法と焼き鳥という調理法はかならずしも一致しないということです。
博多の焼き鳥屋に限ってはあたかも串焼き屋であるかのような様子がみられます。
これは博多では串焼きという調理法が重視されたためで、焼き鳥ではないやきとりというのは串焼きの別称ととられてもよいのではないでしょうか。
 
博多で最初に焼き鳥店が開かれたのは、昭和30年代に東区の箱崎の地であったという記録が残っています。
つまり箱崎が博多における焼き鳥屋発祥の地なのです。

4.おいしい食べ方

 
それでは最後に博多の焼き鳥屋に入ったときの様子をイメージしてみましょう。
はじめての方は一番人気のバラを注文することをおすすめします。
まず大皿にタレのかかったキャベツが入ったものが出されることでしょう。
 
あなたは少しもあわてずに、キャベツをかじりながら注文の品がくるのを待ちます。
やがてバラが大皿の上にのせられたら、とりあえず塩で食べてみてください。
 
参考までですが、博多の焼き鳥屋の良し悪しはバラを食べたらわかるといわれています。
納得がいきましたら、つぎはいよいよ鶏肉です。
博多ならではのメニューはせせりとか四つ身になります。
せせりとは首の肉のことで、四つ身とはもも肉のことです。

5.おわりに

 
以上のように、博多の焼き鳥文化について説明しました。
他県とのちがいや博多独特の歴史についてもご理解いただけたでしょうか。
博多をおとずれたときにはぜひ焼き鳥屋で食事をされてみてください。
この紹介がお役に立てれば幸いです。
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